異動パターンの分析(分析アプローチの組み立て方)

本レターでは、異動履歴データを活用した異動パターンの分析について過去の経験をトレースし、分析アプローチの組み立て方について解説します。
武田 邦敬 2025.03.28
読者限定

データドリブンHRコンサルタントの武田です。最近はピープルアナリティクスの仕事が増えてきましたので、絞り込んだ肩書に変えてみました。

さて、先週末に「学生のためのピープルアナリティクス講座2025」に登壇し、ピープルアナリティクスの実務についてお話させていただきました。学生から企業人事の方まで幅広い方にご視聴いただき、世代を超えて関心が集まっているのだと感じました。ありがとうございます。

私のセッションでは、ピープルアナリティクスの実務イメージを持っていただくために、前半は人事業務を含めたプロジェクトの概要を解説し、その上で後半にプロジェクト事例として「異動パターン分析」について取り上げました。

前半部分はプロジェクトの特性について簡単に触れたもので、以前セミナーでお話しした「人事データ分析ダンジョンの攻略法」という話の入門になります。

一方、後半でご紹介した異動パターン分析の事例は、独立前も含めて複数のクライアントで実践した内容をまとめた事例になっています。クライアントの幅も広く、業種をまたがる大企業の人事部門、大規模公共団体、中規模公共団体でのヒアリングとデータ分析の経験をシンプルに整理しました。

セミナーではハイパフォーマー分析の手段として異動パターンを分析する話になっていましたが、この方法をはじめて試したときはそうではなく、異動案の自動作成というテーマでした。

公共団体や一部の民間企業では人事部門が全体の異動案を一括で考える業務があり、それを実現するための手段の一つとして異動パターンの抽出を行ったのです。データ構造(特徴量)に着目すると、割と応用範囲の広いアプローチだと思います。

その後、異動パターンの抽出というテーマは異動案の作成という文脈ではなく、社内のキャリアパスの類型化というテーマで度々実施することになりました。

***

ところで、もしあなたに「従業員の異動パターンを分析して」という依頼があったら、どのようにアプローチしますか?

問題設定の正しさの議論は済んでいて、異動履歴データをポンと渡されたらどこから手を付ければよいでしょうか。

https://www.docswell.com/s/ku2t-lab/ZR2J4W-People-Analytics-Practice#p27

https://www.docswell.com/s/ku2t-lab/ZR2J4W-People-Analytics-Practice#p27

このレターでは、配置を対象とした異動パターン分析の例を下敷きにしながら、分析アプローチの発想法をお伝えしていきます。以下でお伝えするプロセスは私がはじめて異動パターン分析に取り組んだ時にたどった道です。分析アプローチの組み立て方の参考にしていただければと思います。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4883文字あります。
  • Step1: 現象を理解する
  • Step2:  データを探索して現象への理解を深める
  • Step3: 異動経験マトリックスからパターンを抽出
  • モデリングの発想はどこから来たの?
  • まとめ

すでに登録された方はこちら

読者限定
従業員エンゲージメント分析でアナリストが直面する課題と工夫
読者限定
2024年の技術支援活動で発見した5つのこと
読者限定
「シェア」の変化を可視化して分析する(効果的なグラフの使い方)
読者限定
データによる予測手法の選択戦術
読者限定
「スキルベース」はピープルアナリティクスにどう活用できるか?
誰でも
データ分析ダンジョンに潜む魔物
誰でも
〈先行配信〉本レターのタイトル趣旨と今後について
誰でも
再開します!(リニューアル)