〈先行配信〉本レターのタイトル趣旨と今後について

リニューアル後のレタータイトルが「データ分析ダンジョン探索ガイド」に決まりました。タイトル趣旨と今後配信していく内容について先行的にお知らせします。
武田 邦敬 2024.07.31
誰でも

こんにちは。クニラボの武田邦敬です。

先日ご案内した通り、3月まで配信していた「人事データ分析入門講座」をリニューアルし、あらたに8月から再開することになりました。再開に先立ち、新しいニュースレターのタイトルが決まりましたのでお知らせします。

「データ分析ダンジョン探索ガイド〈データドリブンを実践しよう〉」

というのが、新しいタイトルになります。どうぞよろしくお願いします。

何をお伝えしていくのか

このニュースレターでは、私のデータサイエンティストとしてのノウハウを直にお伝えしながら、皆さんの疑問により親密にお答えしていきたいと考えています。具体的には、次のような皆さんを想定して情報を発信していきます。

  • ビジネスデータサイエンスを始めたばかりの方。

  • 未経験でデータサイエンティストやデータアナリストに転身した方。

  • 人事など、データ分析文化が根付いていない環境で奮闘されている方。

  • データ分析の手法選択や問題設定の秘訣を知りたい方。

  • データ分析担当からデータ分析チームリーダーになって戸惑っている方。

  • データ分析プロジェクトにアサインされた非分析者の方。

いろいろとリストアップしていますが、これらは私の過去の姿でもあり、かつてのチームメンバーの姿でもあります。また、これまでに支援させていただいたピープルアナリティクスチームの皆様もそうです。

ビジネスデータサイエンスは可能性に満ちていますが、その幅は広く、厳格な統計学から進歩の早いAIまで考えて途方に暮れる方もいらっしゃることでしょう。また、教科書やKaggleなどのコンペで学んだことをいざ実務に適用しようとすると、何から始めたらよいか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。これらの悩みを乗り越えたとしても、分析テーマの選定に失敗すれば、プロジェクトは立ち行かなくなってしまいます。このように、ビジネスデータサイエンスに参入しようとする個人やチームは、様々な困難に直面します。

こうしたリアルな課題感を持っている方に向けて、少しでもヒントとなるような話を伝えていければと考えています。

「データ分析ダンジョン」って何?

先日登壇した「人事データ分析ダンジョンの攻略法」というセミナーをもとに、今回のレターのタイトルを決めました。でも、なぜダンジョンだったのでしょう?

セミナー準備のために、人事データ分析プロジェクトの特徴を考えていたときのことです。過去のプロジェクトやかつてのチームメンバーとの会話を思い出しながら、人事特有の難しさってどこにあるだろう?と考えていました。私はピープルアナリティクスに傾倒する前に、防災や製造、金融、IT製品などのデータ分析プロジェクトに取り組んだ経験があったので、頭の中で比較していたのです。

そして出てきたのが「一期一会」「迷いやすい」「深掘ると見つかる」という3つのフレーズでした。

人事は組織によって色が違いますし、何より人を対象とした分析なので、どうしても個別性がでてきます。本質的に組織と人、人と人の関係が重要となるので、不確定要素だらけなのですね。そのため、どのプロジェクトも一期一会になりがちです。

こうした背景に加えて国内では流行り始めて数年といった状況ですので、方法論が組織の中に蓄積されていません。これは伝統的な生産品質管理とも、データ活用が必須なWebマーケティングとも異なるものです。一言でいうと黎明期であり、プロジェクト進行が迷いやすくなります。いい意味で捉えるとアジャイルであるのですが、プロジェクト当初の分析スコープから逸脱した議論がされることは珍しくありません。

こうした難しい面を抱えつつも、メンバーの意識を合わせてチャレンジし、深掘りすればインサイトを得られるときもあります。

以上の3つの特徴をノートに書きだしたときに頭に浮かんだのが「ダンジョン」でした。ゲームやアニメに出てくるあのダンジョンです。冒険者が宝物やイベントを達成するために挑む迷宮ですね。

初見ではコテンパンにやられるのですが、パーティを組んで少しずつ学んでいくことで攻略することできるのがダンジョン。人事データ分析プロジェクトのイメージにぴったりだ!と思い、セミナータイトルにしました。

ニュースレターのタイトルを考えているときに、ふと「人事に限らず、データ分析初学者にとってデータ分析プロジェクトはダンジョンみたいなものでは?」と感じたのです。

過去の自分を思い出してみると、データを目の前にして何から手を付けたらよいか分からず途方に暮れたことや、チームで右往左往した記憶がよみがえり、あれはダンジョンだったなと思ったのでした。

こうすれば上手くいく!という地図が欲しいと思ったことは何度もありますが、そのような都合のよいものはありませんでした。しかし、経験を重ねるにつれて自然とできることが増えるのが不思議です。

もちろん、今も完璧な地図はもっていません。よく言われるように、データ分析の武器である統計モデルや機械学習モデルは、「絶対的なメカニズムを記述できるものではないが、状況によっては役に立つ」というものだからです。プロジェクトごとに何かしら悩むことになるわけですが、だからこそ面白いという側面もあります。

ではダンジョンたるデータ分析プロジェクトに挑むための武器は何なのでしょう?

それは状況を理解し個別の地図を作るためのコンパスではないかと考えています。

そのコンパスは絶対的な進路を示すものではありませんが、議論をうまく整理して課題の本質を捉え、データ分析という技の出しどころを示すものになります。そのコンパスはデータアナリスト自身が個別に積み上げるようなもので、暗黙的なものです。マインドセットと呼んでもよいかもしれません。

このニュースレターは、その暗黙知たるデータアナリストのコンパス(マインドセット)を、エッセイを通してひも解く試みです。

どのような経験を元に書くのか

私はアプリ開発SEからいきなり企業内研究所に異動してデータサイエンティストになった過去があります。

といっても、当時は「データサイエンティスト」なる華麗なる職種は存在せず、「データアナリティクスの応用研究者」という肩書でした。Excelで回帰分析をやったことが1回ある、という程度でキャリアチェンジをしてしまったので、本当に苦労しました。そのときのドタバタぶりは以下のnote記事に書いています。

その後、事業部に移ってデータ分析チームのマネジメントをするようになりましたが、その時に悩んだのが技術者の育成です。私のチームにはデータアナリストや機械学習エンジニアが数名配属していましたが、経験は浅くOJTが必要な状況でした。つまり、今後彼らが成長できるかどうかは私がうまく指導できるかどうかにかかっていたのです。

新米マネジャーであり人材育成の経験にも乏しかったので不安でしたが、自分の過去を思い出しながらメンバーの話に耳を傾け、興味を喚起し、スキルレベルに応じたタスクを活用して徐々に立ち上げていきました。ある意味、チームとしての短期的な業績より育成に力を注いでいました。そのおかげか、多くの方が今も第一線で活躍しています。

一方、ピープルアナリティクスに携わるようになってから、社内外の人事データ分析チームを側面から間接的にフォローする仕事も増えました。これは自分の分析チームメンバーの育成とも、受託分析プロジェクトとも異なるもので、大いに刺激をうけました。例えば、文系でこれまでデータ分析をやったことがない人事担当者の方と伴走しながらプロジェクトを成功させるのです。ExcelやRを駆使して分析ができるように長期間サポートしたり、時にはワークショップや1on1を駆使してメンバーの本音にアクセスしたりなど、視野が広がりました。

以上のように、私自身は学生の頃からバリバリ分析をやっていた人材でもありませんし、グローバルなWeb企業で華々しい分析をしてきたわけでもありません。また、どちらかというと「これまでデータ分析が活用されてこなかった分野」での仕事が多く、豊富なデータとタスクを求めるデータサイエンティストが避けるような仕事ばかりしていました。

しかし、私からするとホワイトスペースの開拓や人の育成はやりがいのある仕事で、このニュースレターもその一つです。

***

今回のレターでは誰にどのような内容をお伝えしていくかと、レタータイトルの背景をお伝えしました。8月からの配信を暫しお待ちくださいませ。

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